解体工事を行う際、解体する住宅にアスベストを含む有建材が使用されている場合、アスベストは健康被害を起こす原因となるため、注意が必要になってきます。
具体的に、アスベストはどんな健康被害を及ぼすのでしょうか?
本記事では、アスベストが起こす健康被害についてまとめていきます。
【解体工事のアスベスト】どんな危険性がある?
どんな症状が出る?
率直に言うと、アスベストは発がん性物質です。
発がん性物質なので、当然がんを引き起こすリスクがあります。
加えて、潜伏期間がかなり長いため、アスベストが体内に入ってから30年以上経ってから症状が出始めるといったことがよくあります。
主にアスベストで生じる疾患は、中皮腫、肺がん、石綿肺、慢性胸膜肥厚です。
中皮腫は、肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜、精巣鞘膜にできる悪性の腫瘍です。
息切れや胸痛、咳、発熱、全身倦怠感、体重減少などの症状が見られます。
肺がんは、気管支あるいは肺胞を覆う上皮に発生する悪性の腫瘍です。
咳や痰、血痰といった症状がよく見られます。
中皮腫も含め、症状が出る前に胸部エックス線や胸部CT検査の異常として発見されることも少なくありません。
石綿肺は、石綿を大量に吸引すると発生する症状で、肺が線維化する病気です。
別名じん肺とも呼ばれています。
肺の線維化が進むと、酸素と炭酸ガスの交換を行う機能が損なわれるため、呼吸困難が生じます。
慢性胸膜肥厚は、臓側胸膜(肺を覆う膜)の慢性線維性胸膜炎の状態となる症状が出る病気です。
呼吸困難や反復性の胸痛、反復性の呼吸器感染等が見られます。
こちらの病気は、現状明確な治療法が確立していないため、かなり厄介な病気です。
自分が病気かどうか不安な時は?
まずは呼吸困難や胸痛等の症状が出た時、一度アスベストを吸い込むことになるような出来事が過去にあったかどうか確認しましょう。
もし心当たりがある場合は、アスベスト疾患センターに指定されている専門機関に相談してください。
また、具体的な症状は出なくても、アスベストを吸い込んだ可能性のある機会があったら、なるべく肺がんのリスクを抑えられるように禁煙することをおすすめします。
まとめ
アスベストによってがん性の症状が長い潜伏期間を経て、発生する場合が少なくありません。
直近だけでなく、これまで生きてきた中で一度アスベストを吸い込んでいる可能性のある出来事がなかったか振り返り、もし心当たりがあったら専門機関にすぐに相談することが大切です。